2022-04-09から1日間の記事一覧

現代の名探偵再び - 殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

ひとりの記者の疑問を発端に「日本が動いた」話。17年冤罪で閉じ込められていた管家さんを執念の取材で解放した流れはひたすら凄い。同時に、警察や検察、裁判所などの組織がその気になれば無罪を有罪に変えるのも簡単なのだと改めて気付かされ背凍。 また、…

先にタイトルを作ってから小説を書いたと予想 - スローなブギにしてくれ 片岡義男

映画化し、同名の曲もヒット。子供の頃から存在は知っていた本だけどなぜか読む機会がなかった。片岡義男の本は何気に10冊以上は読んでるというのに。 ストーリーを要約すると、捨てられた猫と女の子を拾ったバイク乗りの主役(高校生)がやがて同じように猫…

宗教とは「神による陰謀論」なのだ - 神は沈黙せず 山本弘

久しぶりに本気で一気読みしてしまった。ジャンルは風刺小説になるのかな? ユーモアと皮肉はあっても人間とテクノロジーに警鐘を鳴らすタイプの本ではないから。 トンデモ本で有名なと学会会長である山本弘が著者。神、宗教、UFO、AI、超常現象、ゲーム、実…

なかなかの駄本 - イヤなやつほど成功する! -マキャヴェリに学ぶ出世術

ブックオフの100円コーナーで購入。パラパラ読んでこりゃひどいなとある種の感銘を受けて買うことに。うむ、200円なら買わなかっただろう。内容は一貫して他人をどれだけ利用し、出し抜けるかについて。エッセイ的な軽妙な語り口で書いているのだけど、2000…

スターリン時代の強制収容所(ラーゲリ)の一日を描いた作品 - イワン・デニソビッチの一日

再読。最初に読んだのが18歳の時だからずいぶんと久しぶりだ。ドストエフスキーの死の家の記録よりポップな印象を受けるのは舞台が現代により近いためか。 他の刑務所モノでもそうだが、作品でとりわけ面白いのは食事をとる場面だ。セコさ、貪欲さ、高揚感が…

ガクサン - 佐原 実波

マニア向け。蘊蓄やノウハウ好きにはたまらない本。けれども、すべてにおいて説明的過ぎるのとキャラクターと展開がテンプレート丸出しなのが痛々しい。もっと妥協してエンタメに振るか、PTAの回し者になるかした方が良いような……残念ながら続きはまったく気…

くさい食べもの大全 - 小泉 武夫

発酵仮面および味覚人飛行物体こと小泉教授の著書の中でも「臭い」食べ物に焦点を当てた本。ページ最後にある参考文献には教授の本がずらっと並んでいたので、過去作から切り貼りして書かれた本かもしれない。 食べ物を魚類、魚醤、肉類、納豆、大豆製品、野…