月と六ペンス - サマセット・モーム

久々に真っ当な文学作品に手を出した。思わせぶりなタイトルは裸のランチみたいもので内容には関係がない。ゴーギャンについては最低限以下の知識しかないため実像とは較べることはできず。 主人公は完全に狂言回しに徹しており、冷静でまともな人物。中盤ま…

御池 鮎樹 - 裏口からのDTM―パソコンで音楽の世界は無限に広がる!

ブックオフオンラインで200円ほどだったので他の本とあわせて購入。DTM全般を取り扱っていると言えなくもないが、内容は偏っていて役に立たず。後半、ACID Expressとsound fontに相当なスペースが割かれているのはちょっとした狂気を感じた。2004年の本にし…

あなたもこうしてダマされる - ロバート・レヴィーン

だましの手口とだまされる心理 日常に潜む広告とマーケティングの話がメイン。

60年代のハードボイルド - さむけ - ロス・マクドナルド

探偵が殺人事件を解決する話。途中で投げ出しそうになったが、最後まで読んで良かった。まさかそんなオチだったとは。当時はヒッチコックのサイコばりの驚きがあったことだろう。

マーケット感覚を身につけよう - ちきりん

図書館でレンタル。本の半分は様々な例を出しながらマーケット感覚の重要さを説き、後半からマーケット感覚を鍛える方法が出てくるが、この方法がイマイチ。

古典的ハードボイルド - 悪徳警官 - W.P.マッギヴァーン

警察小説。タイトル通り暗黒街の権力者の犬として生きてきた警部が、身内の事件を機に反旗を翻すストーリー。昔の欧米の作品にありがちなことにキリスト教的なモラルがそここに。意外と古さは感じないけど、なんとも地味である。

傑作なんだろうけど……第七官界彷徨 - 尾崎翠

この手の青春戯言小説は村上春樹の読者なら大喜びで読むんだろが、自分には退屈すぎた。1933年の本とは思えない新鮮な切り口とユーモアは当時にはどう映ったのだろう? 72ページまで読んで図書館へ返却。

贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争 - 吉田 喜重

なんとも奇妙な本。ヘスの数奇極まる人生の前半を年表の如くこと細かに並び立て、囚人生活の後半を甘美な回想を含めた作者の主観で補完するというもの。ナチスの誕生と隆盛を扱っていても血生臭さはなくその点は肩透かしを食った。 この本がどこまで史実でど…

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか - ダニエル・ピンク

企業のオリエンテーション向けの内容。

愛死 - ダン・シモンズ

2つ目の「バンコクに死す」が映画化して欲しいほど素晴らしい。ねっとした怪しいバンコクの夜を舞台に、究極の快楽に魅了された男の破滅を描いたエロチックホラー。

グレッグのダメ日記

アメリカ的なユーモラスな児童書。半分は漫画。

社会心理学者が書いた本 - だましの手口 - 西田公昭

ジジババやピュアな人には読ませた方がいい本。

センチメンタリスト御用達 - みずうみ - シュトルム

もはや盛大に絶滅したと思われる文学作品にしか存在できないセンシティブな人たちの美しい青春。このナイーブさと潔癖症はいつ読んでも胸に沁みる。 wikiに物語のあらすじが載ってるけど、ストーリー展開だけ書かれていても作品の美しさが万分の一も伝わって…

もはやほとんど振り返られることのない昭和の怪物 - 毒舌 身の上相談- 今東光

不純異性交遊で中学を二度中退、谷崎潤一郎の弟子、天台宗大僧正、宇野千代の元カレ、瀬戸内寂聴の師匠、川端康成の親友。森鴎外、夏目漱石とも面識あり。仲間の芥川龍之介の自殺をきっかけに仏門へ。幼少期から喧嘩三昧で力道山にも一目置かれる戦闘力etcな…

キャッチセールス評論家が書いた本 - ついていったら、だまされる - 多田文明

うーん、10年前の本としても内容が薄い。キャッチセールス評論家の作者は自ら金と手間をかけて悪徳商法にひっかかりその顛末を雑誌で連載していたそう。 この本は資料の読み込みや下調べをほとんど行わないままサクッと主観で書かれたんじゃないかな。それほ…

んんんん……駄作 - 無知の涙 - 永山則夫

連続殺人犯が書いたベストセラー。5分ほどパラパラめくってそのまま深夜の返却ボックスへ投函。意味のなさそうな自問自答とポエムと落書き。ここまで読む気が起こらない本はちょっと思い出せない。金出して買ってたら寿命が半年縮まるほどムカついていたとだ…

怒羅権と私 ~創設期メンバーの怒りと悲しみの半生

近頃の図書館の品揃えには目を見張るものがある。有名半グレ集団の初期メンバーの半自伝。ちゃんと本人が書いたのかもしれないが、インタビューを文字に起こしたような臨場感のない淡々とした文章で自身の出目から逮捕、出所後から現在までが語られる。立場…

アフリカンアメリカンの作家がラヴクラフトのネタを使って書いた小説 - ブラック・トムのバラード

167ページの中編でお値段は2,000円なり。高けーよ、もち図書館でレンタルした。解説によると作者はラヴクラフトの人種差別的な思想を知って失望したそうだけど、1890年生まれの陰気な白人ならまあ、時代と環境のせいか。物語は黒人のギター弾き語り歌手が主…

大馬鹿な子が殺し屋専用レストランで働く話 - ダイナー 平山夢明

運転するだけで30万円の裏バイト中、ヤクザにとっ捕まって拷問を食らい、墓穴を掘ってさあ死ぬかの間一髪で助かるオオバカナコちゃんが主役。シェフも客も変なのしかいないので途中まで楽しく読めたんだけど、あれ、みたいな流れになって風呂敷を畳んで終了…

もうひとつの『異邦人』ムルソー再捜査 - カメル・ダーヴド

これはアイデア賞。出だしから 今日、マーはまだ生きている。 ときたもんだ。 カミュの小説、異邦人でムルソーが殺したアラブ人の弟が主役という設定はちょっと卑怯すぎる。が、内容はカミュの転落を意識的に模した語り口とマザコン丸出しの戯言をダラダラ話…

ライ麦の再来と言われた青春小説 - ウォールフラワー

本を人に勧めたくなることはほぼないが、この本はいろんな人に読んで欲しいと思える。小説ならではのパーソナルな感覚は映像にすると消えていく種類のもので、評価の高い映画の方はまだ観ていない。 物語は1991年から92年が舞台となった書簡風の小説。語りか…

死の錬金術師 VS 大前田の殺し屋 - 凶悪―ある死刑囚の告発―「新潮45」編集部

死刑判決を受けた元ヤクザ組長が復讐のため共犯者(通称 先生)をチクる話。ノンフィクションというのが信じられないくらい劇的で入り組んだ展開を見せてくれる。事実、裁判所でも前例がない判決と扱いになっているのが興味深い。死体が出てこないのでバレて…

妙味必淡の教え - 食のベストエッセイ - 小泉武夫

読んでるだけでとめどなく涎がでてくる本。珍味や高級な食材もあるけど、納豆や米の話もよく書かれているため味の想像が容易にできるのだ……間違ってもダイエット中や深夜には読まない方がよい。冷蔵庫を漁ったり、24時間スーパーへ駆け込むことになる……俺の…

おゝ反逆の青春 - 今東光

図書館でレンタル。半分くらい読み進め返却ボックス行き。 親友である川端康成とのエピソードや、人生の恩師との再会など面白い話もあったけど、基本、文句と愚痴ばっかりなんでもういいやってなった。笑えるくらいどぎつい愚痴なら喜んで読むのだけどさ。

昔のチベットは恐ろしい国だった - 新西遊記 久生十蘭

120年前、鎖国状態だったチベットへ密入国した僧、河口慧海のチベット旅行記を下敷きにした本。青空文庫で公開中。この本に書かれていることがどれだけ事実でそこに脚色をほどこしているのかはわからないが、120年前のチベットはとてつもない拷問国家だった…

濡れ衣を着せられた鬼畜を救え - 憤怒 G.M. フォード

8人もの女性を強姦のうえ惨殺し、ゴミ箱へ捨てた「トラッシュマン」。その容疑で捕まったのは性犯罪常連の男だった。死刑を6日後に控えた日、鬼畜逮捕のきっかけである9人目になりかけた女性が証言は嘘だったと告白。アンチヒーロー型のセガール似の新聞記者…

どこかでみたような話が多いけど - 習慣が10割 吉井雅之

アマゾンアンリミテッドでダラダラ読み。ヒル先生の思考は現実化するをバカにでもわかりやすく噛み砕いて説明したような本。章が短く、それぞれ最後にワンポイント書かれているためそこだけつまみ食いしても良さそう。 耳タコ、繰り返し言われていることがで…

今度はITバブルで騙し合い - 復活祭 馳星周

前作から10年後、土地の代わりにIT会社の株価を軸に話が進む。資産家の娘も資産家の愛人も金と若さを失い地味に生きている様子が前作との落差でなかなか悲惨。 今作もノワールというよりエンタメなので嘘とセットの裏切りのカードをどこで誰が切るのかを予想…

「ル・マンジュ・トゥー」谷昇のおいしい理由。フレンチのきほん、完全レシピ (一流シェフのお料理レッスン)

外食を控えても美味いものは食いたい。となればあとは自分で作るしかない。 レシピ通り作れとあったのでおとなしくレシピ通りにつくったらほんとに「店で出せるレベル」の鳥モモ肉のソテーができた。いや、マジで。 この本を書いたシェフの店はいつか行って…

寡男の憂愁 - 死都ブリュージュ ローデンバック

溺愛していた妻を亡くした男は日毎に妻の遺髪を涙で濡らしていたが、ある日、亡き妻に瓜二つの女性を見かけ、テンションをぶち上げる。うまいことやらかしたが、やがて二人は噂になり…… この本が変わっているのはコテコテの文学作品なのに街の写真が30枚ほど…