黒人を普通にニガーと呼んでいた頃の古き良き物語 - ハックルベリー・フィンの冒険

トムソーヤの相棒のホームレス少年。アニメしか知らなければハックのイメージはこんなものだろう。

この本ではハックが主役であり、彼の一人称で語られている。牧歌的な語り口は、殺人などの凄惨な場面ですらあっけないほど簡素な言葉でつむぐ。

行動や思考の様も、ヨーロッパ圏の小説とは違って宗教よりも迷信を信じる色合いが強いのはこの時代のアメリカならではの価値観か。

途中から合流した自称貴族と自称王様の二人が面白すぎ、彼らが出てくるページは何度も読み返してしまった。この本もトムソーヤのスピンオフなのだろうが、誰か王様と貴族のその後を描いた小説を書いてくれないだろうか。

しかし、トムソーヤは出てくる必要あったのかね? いかれてるぞ、まじで。