ライ麦の再来と言われた青春小説 - ウォールフラワー

本を人に勧めたくなることはほぼないが、この本はいろんな人に読んで欲しいと思える。小説ならではのパーソナルな感覚は映像にすると消えていく種類のもので、評価の高い映画の方はまだ観ていない。

物語は1991年から92年が舞台となった書簡風の小説。語りかける文体と精神を病んだ主役の設定はまさに現代のライ麦

主役をはじめ登場人物が本当によく泣く。ここまでキャラクターが泣く小説は読んだことがない。青春小説らしく、家族友達恋愛に、音楽や本、スポーツやパーティーの話題が絡んでくる。

教師から勧められる小説のセレクションが自分と被っているところがあった。ドストエフスキーが入れば完璧なのに、と少々残念に思う。

91年という時代のため、Nirvanaの話題ももちろん出てくる。