後半駄作の代表 - 東京喰種トーキョーグール

ピッコマで無印Reともに読み放題になっていたので久々に再読。

無印は文句なしに傑作。斬新な設定に緊張感があり、死は軽く扱われず、キャラクターの行動原理にも筋が通っていて物語としての重さがあった。

問題は続編の『Re』。

後半に入ると一気に崩れる。バトル漫画でよくある「主人公側を常にピンチにしておくための後付け」が露骨に増え、強さの基準は完全に迷子になる。

設定の扱いも雑になった。

致命傷でも死なない、死んだと思ったら生きていた、叫べば覚醒する、負けそうになったらまた覚醒する──緊張感は消え、物語の説得力も落ちた。

世界観が広がったのではなく、単に都合よく穴埋めされているだけで無印で丁寧に積み上げた密度が薄められていった。

終盤はさらにひどい。突然セカイ系に路線が変わり、スケールだけが膨張する。エヴァ本体及び模倣作が陥った罠に何の抵抗もなく落ちていく。それっぽいネタを見せて雰囲気でごまかしているお馴染みの手口。最終的にはGANTZ終盤のような脱力デウス・エクス・マキナ展開に着地する。

倫理観も崩壊。明らかに罪を犯したキャラクターが罰されない。都合の良い和解と免罪が横行する。

無印が優れていたからこそ、Re後半の劣化が際立つ。設定は後付けで補強され、倫理は曖昧になり、最後は勢いで畳まれる。

名作の続編が失敗する典型例だが、それでもここまで落差が大きい作品は珍しい。

あとがきにあるように、作者の精神状態によってブレまくったのは確実。誰もとめなかったのだろうか?

なんなら、アフタヌーンで連載されていそうないまのヌルい漫画をやめてRe後半の別バージョンを描き直して出せばいいのに。発表の場に困らない現代ならいつでもできるだろう。