相当昔に『食卓のお肉ができるまで』というサイトがあった。豚や鶏が我々の食卓に上がってくるまでのスプラッターな動画や写真を載っけていて、グロ耐性がない人やセンシティブな人にはなかなかつらい映像になっていた。私はケンタッキーフライドチキンを観ながら閲覧していたのだけど、当時ミクシーで知り合ったバンドマンの男にMSNメッセンジャー経由でこのサイトを紹介したところ、しばらく肉が食えなくなった、と苦情がきた。
さて、このドキュメンタリー映画も同じ系統のものである。しかしながら、映像作家らしい狙ったいやらしさと静謐さが注入されているので、かなりおとなしい作りになっている。
セリフ、音楽、ナレーションは無し。カメラは意識しているとしても演技ではない。ただ仕事をしているだけ。従業員同士の会話はあるものの、音量は抑えられている。内臓の露出や解体した死体は映っていても、血を極力画面に出さないようにしているのはプラスにもマイナスにも働いている。また、野菜や穀物もきちんと取り上げている。
面白いかどうかと言われれば、退屈な部類に入る。しかし、我慢できない程ではない。一回はみる価値はある。監督の狙いが透けているのと、従業員が飯を食ったりするパートがやたらと長いのが欠点。