ベーシスト ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー - Jaco

今回このドキュメンタリーを観て一番の収穫だったのは、ライブにおいてはディストーションが利いたかなりアグレッシブな演奏もしていたこと。アルバムのなかで聴けた演奏はほんの一部分だったのだな。

フレットレスベースによる幻惑的な音色は聴いていて気持ちよく、フレージングやテクニックにおいても最も革新的なベーシストであることは間違いない。

作中、スティングやフリーをはじめ、ジャコに影響を受けたベーシストがベタ褒めするところが何度もあったけど、権威付以外には必要なシーンだったかな?

身も蓋もない言い方をすると、ミュージシャンは若くして死んだ方が評価が高くなる。退屈な作品を出したり、売れなくなってから死ぬよりは格段に恥を晒す機会が減って神格化されやすいから。

ジャコは双極性障害とドラッグ癖のせいでどんどん活動の幅が狭まり、死ぬ数年前は路上で弾いて小銭を稼いだり、小さな酒場で演奏したりと、悲惨な境遇だったようだ。