再々再読。作家としての円熟味を感じさせる作品。これまでの物語と比べると、ドラッグと暴力よりもアルコールと恋愛の比重が高い。
主人公は嫌なやつではあるけど周りからは好かれているイケメンキャラクターなのも珍しい。対極においたライバルキャラはどうぶつの森にハマってる恋愛ベタのオタクというのもキャッチーだ。
ウェルシュの短編でもSF路線のものがいくつかあったが、今作は超自然的な要素がファクターとなっており、スティーブンキング風のラストも衝撃的。これは映画化して欲しいけど、映像にしたら陳腐なものになるかもしれない。ホラー路線かブラックコメディ路線へ振り切ればどえらいものができるのだろうけど。ケン・ラッセルかピーター・グリーナウェイが撮ってくれたなら……