おおう、これは凄まじいほどの80年代臭!
傑作パンク漫画ボーダーと同時期(1986年)に連載されていただけあって女版ボーダーと呼べるようなハードボイルドな作品。
学校のクラスで浮きがちで、やたらマニアックな音楽や映画に詳しかったり、大衆文化を毛嫌いするタイプの人には心地よく感じる展開や台詞もあるだろうが、いわゆる普通の人には天邪鬼とか世の中を斜めから見ているご存知のキャラクターに映ることだろう。
かつて原作者があちら側と名づけた世界よりも現代は遥かに邪悪で下品な様相になっている。が、それも生き方がより多様化したのと、表現の発露の場が格段に増えた結果でもあるので、ある意味人間らしい平等な社会になったともいえるのかもしれない。