贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争 - 吉田 喜重

なんとも奇妙な本。ヘスの数奇極まる人生の前半を年表の如くこと細かに並び立て、囚人生活の後半を甘美な回想を含めた作者の主観で補完するというもの。ナチスの誕生と隆盛を扱っていても血生臭さはなくその点は肩透かしを食った。

この本がどこまで史実でどの部分がフィクションなのかはわからないが、この本を読む限りでは副総統であるヘスがほぼ善人として描かれているのはどうなのだろうか。