ポルノ - トレインスポッティングの続編

ラストにレントンが仲間を裏切ったトレスポから9年後の物語。30代半ばといえばもはや人生の明暗がくっきりついている頃であり、愛すべき主要登場人物たちは残念ながら成熟よりも劣化が目立ってしまっている。

今回はレントンよりもシックボーイの視点がメインで前作のヘロインの替わりを埋めるように現れたドラッグがコカイン。よって、より自己中心的な発言と展開が増え、青春小説としても読めた前作の爽やかさと儚さはキレイに消え去っている。醜さとみっともなさ、嘘と傲慢が描かれており、このへんは好みが分かれるだろう。

ポルノのタイトルに違わず、性的な要素がふんだんにあってかなり下品な印象も。そもそもシックボーイが監督になりAVを作る話がメインの小説だしな。映画はほんの一部分を切り取ってスタイリッシュにまとめた別物、やはり本の方がはるかに面白い。