RIP クラウス・シュルツ

ひょっとしたらクラウス・シュルツ平沢進よりもベルセルクの世界観を音へ落とし込めることができたアーティストだったかもしれない。

特に70年代の作品は、陰惨で壮大な宇宙空間や地獄絵巻が展開されており、深淵をのぞいた者の狂気が音から濃密に発せられているのだ。


最初にシュルツを知ったのはタンジェリンドリーム経由で、そのタイミングは奇しくもベルセルクを初めて読んだ90年代の後半だった。そのアルバムのジャケットにはグリフィスそっくりなキャラクターが描かれており、寒気のするよなシンクロニシティを感じたものだった。

なお、先月観た映画アングストの音楽もシュルツが担当したのも気味の悪い単なる偶然だった。

シンセサイザーを多用したプログレッシブな作風をベースに、テクノ、トランス、アンビエントの発展に多大な貢献をしたシュルツ御大。90年代からは情のある曲やある意味普通の曲をリリースするようになったが、正当な評価を受けていたとは言いがたい……が、間違っても一般受けはしないだろう。