2022-04-12から1日間の記事一覧

キャッチセールス評論家が書いた本 - ついていったら、だまされる - 多田文明

うーん、10年前の本としても内容が薄い。キャッチセールス評論家の作者は自ら金と手間をかけて悪徳商法にひっかかりその顛末を雑誌で連載していたそう。 この本は資料の読み込みや下調べをほとんど行わないままサクッと主観で書かれたんじゃないかな。それほ…

んんんん……駄作 - 無知の涙 - 永山則夫

連続殺人犯が書いたベストセラー。5分ほどパラパラめくってそのまま深夜の返却ボックスへ投函。意味のなさそうな自問自答とポエムと落書き。ここまで読む気が起こらない本はちょっと思い出せない。金出して買ってたら寿命が半年縮まるほどムカついていたとだ…

怒羅権と私 ~創設期メンバーの怒りと悲しみの半生

近頃の図書館の品揃えには目を見張るものがある。有名半グレ集団の初期メンバーの半自伝。ちゃんと本人が書いたのかもしれないが、インタビューを文字に起こしたような臨場感のない淡々とした文章で自身の出目から逮捕、出所後から現在までが語られる。立場…

アフリカンアメリカンの作家がラヴクラフトのネタを使って書いた小説 - ブラック・トムのバラード

167ページの中編でお値段は2,000円なり。高けーよ、もち図書館でレンタルした。解説によると作者はラヴクラフトの人種差別的な思想を知って失望したそうだけど、1890年生まれの陰気な白人ならまあ、時代と環境のせいか。物語は黒人のギター弾き語り歌手が主…

大馬鹿な子が殺し屋専用レストランで働く話 - ダイナー 平山夢明

運転するだけで30万円の裏バイト中、ヤクザにとっ捕まって拷問を食らい、墓穴を掘ってさあ死ぬかの間一髪で助かるオオバカナコちゃんが主役。シェフも客も変なのしかいないので途中まで楽しく読めたんだけど、あれ、みたいな流れになって風呂敷を畳んで終了…

鹿楓堂よついろ日和

読む人を笑顔にさせてくれる漫画です。ただ面白かったり、続きが気になる作品は簡単に見つかるものですが、じんわりと癒されて世界観にひたれる作品はそんなに多くないですよね。この漫画はこんな店があったら絶対行きたいなぁ、と思わせてくれる良作です。 …

姫乃ちゃんに恋はまだ早い

もはやタイトルだけで既視感があるライトな恋愛(ほとんどボケとツッコミ)を描いた日常系漫画。おそらく読んだ人の百人中百人が高木さんを思い出すことでしょう。はっきり言って絵もキャラの外見も寄せ過ぎです。が、やっぱり楽しい漫画であることは間違いあ…

もうひとつの『異邦人』ムルソー再捜査 - カメル・ダーヴド

これはアイデア賞。出だしから 今日、マーはまだ生きている。 ときたもんだ。 カミュの小説、異邦人でムルソーが殺したアラブ人の弟が主役という設定はちょっと卑怯すぎる。が、内容はカミュの転落を意識的に模した語り口とマザコン丸出しの戯言をダラダラ話…

ライ麦の再来と言われた青春小説 - ウォールフラワー

本を人に勧めたくなることはほぼないが、この本はいろんな人に読んで欲しいと思える。小説ならではのパーソナルな感覚は映像にすると消えていく種類のもので、評価の高い映画の方はまだ観ていない。 物語は1991年から92年が舞台となった書簡風の小説。語りか…

死の錬金術師 VS 大前田の殺し屋 - 凶悪―ある死刑囚の告発―「新潮45」編集部

死刑判決を受けた元ヤクザ組長が復讐のため共犯者(通称 先生)をチクる話。ノンフィクションというのが信じられないくらい劇的で入り組んだ展開を見せてくれる。事実、裁判所でも前例がない判決と扱いになっているのが興味深い。死体が出てこないのでバレて…