ゴキブリ漫画テラフォーマーズのヒット以降、雨後の筍のように連載がはじまり、すっかり定番化した人間と他の生物との融合バトルもの。その中でもキリングバイツは頭ひとつ抜けた面白さがある。 本家のテラフォーマーズも大勢のエピゴーネンも人類の生き残りをかけた話ばかりだが、キリングバイツは興行としてのバトルの側面が強いため悲壮さはなくエンタメ性に優れている。これは「絶体絶命のピンチ→助かる」といった王道かつマンネリのループを無駄に繰り返さなくて済むため勝負が長引かず、サクサク進んでくれるのだ。急造のチーム戦や突発的なバトル、乱入も多く飽きさせない。 人類対敵のような構図は話が大きくなりすぎたり、インフレ化が顕著になるため話が進めば進むほど尻すぼみになりがちだが、キリングバイツは仮に今度のトーナメント戦で連載が終わったとしてもまったく違和感がないし、新しい主人公で続編がはじまってもまったく問題がない。巨悪を倒し地球を救うエンドのヒーロー漫画のような物語に一貫した大きなウネリはないとしても、そのぶん気楽に楽しめるのはよい。