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傑作から凡作に? - チェイサーゲーム - 松山洋 松島幸太朗

これは斬新!実在するゲーム開発会社が舞台で、原作担当はなんとその会社の社長! 平たく言えば、サイバーエージェントがモデルとなった漫画『彼女のいる彼氏』のゲーム版かつ、恋愛要素を抜いた作品でしょうか。同期の女性が妙にエロいので今後恋愛に発展するかもしれませんが。エンタメ業界のキツイ内情を見ることができる点はバクマン。的でもあります。 

話の最後にあるデバッグルームと名付けられたあとがきは、実話と虚構(漫画の演出)を混ぜながら書かれた作品の種明かしを行っており、読めばよりこの漫画を楽しめると思います。 

昔、ファミ通でゲーム会社の内幕を描いた『あそびじゃないの』という漫画がありましたが、作品の面白さや質は別として、精微さが段違いです。その頃のゲームと現在のゲーム製作にかける人員とお金がケタ違いになったのと、漫画自体があの頃ずっと複雑になったことが要因でしょう。 

今後、コンシューマーゲーム VS ソシャゲの図式が展開していきそうで楽しみです。 なお、海外ではグランド・セフト・オートコールオブデューティといったファーストパーソンシューティングがとてつもない売上と人気を誇っています。日本ではファンタジーか、萌えの要素がないと食いつきが悪く、いまいち人気がありませんでしたが、近年のスマホを用いたバトルロワイヤルゲームの流行は、ゲームの世界においても新しい潮流が生まれたことを示しています。ゲームほど技術的に発達する余地のあるエンタメもなかなかないでしょうね。 

追記 社長が登場するときはジョジョキャラの雰囲気と擬音をまとっていてニヤリとできます。


最後まで読んだ感想……原作者は自分が創造したキャラクタに酔っぱらってしまったのか、名作になりえた漫画をただの凡俗な作品にしてしまった。とりあえず登場人物を殺しておけば、病気にしておけば盛り上がるだろうというとってつけたようなゲスな展開を選択してしまったのだな。おまけにあとがきでこれまでに受けた仕打ちの仇を取るような安易な復讐にこだわる始末。後半はほんとうにごみ。がっかりだぜよ。