日本の90's犯罪界きってのスターによるエッセイ。読んだ感想は、巧妙なところや戦略・作為的な部分はあれど元少年Aはサイコパスというよりもダウナーな性的倒錯者ではないか、また過去の過ちを本気で反省している可能性が高い、ということ。
血も涙もない本物のモンスターであればコンクリートの鬼畜よろしくとっくに再犯で捕まってるはずだが、自由になって十数年が過ぎた2021年現在もその手のニュースが聞こえてこないのは本人なりの努力の結果ではなかろうか。ただし、この先微罪でも不可抗力でも逮捕されるようなことがあれば待ってましたとばかりに大喜びで反省していない! 釈放すべきでなかった! と騒ぎ立てる人は普通に現れるだろうな。
何年か前に少年AのHPが話題となったことがあった。今検索してみたが、残念ながらすでに閉鎖されていた。タイトルは「存在の耐えられない透明さ」というもの。一度しか見ていないが、露骨にギーガを模倣したものやナルシスな本人の裸体が載っていた。なるほど、この手の作品や写真は訪問者にこいつは反省していないだろうと思わせるだけの圧力があったのも事実。
気になったのは前半と後半でずいぶん書き方が異なる点。ゴーストライターや編集者の推敲を疑ってしまうが、実際はハテ……。