灭の烏

灭の烏

芸術家気取りの怠け者が現実を知る駄作寸前の青春映画 - リアリティ・バイツ

観ようと思いながらずっと後回しにしていた映画。内容は、いまでいうところのシェアハウスものになるのかな。

宣伝の写真のようなお洒落な雰囲気はなくて、言い訳と皮肉とブチ切れを各キャラクターが順番に演じているものだった。すべてが軽い。安っぽい。ただカメラを回しているだけで傑作が生まれるような気分に浸り、身内で褒めあっているところなんかは身に覚えがあってこっ恥ずかしくなっちまった。

見るべきところは少ない……ぶっ壊れる前のウィノナ・ライダーがくそ可愛いから最後まで観れただけ。あとは、イーサン・ホークがごみ同然の曲を熱唱するシーンは少し楽しかった。

尻軽の子がHIVの感染を気にして検査したり、皆タバコを吸っていたり、勤め人をヤッピーと嫌ったりと、90年代にありがちなシーンは懐かしかったが。

似たようなテーマの90年代の青春映画なら『エンパイアレコード』を観るといい。キーキー、グダグダと、話をして最後はキスして終わるような作品とはエンタメとしてのレベルが違う。