続編ではないと言いながらも続編でしかないシリーズの新作 - マトリックス レザレクションズ

時間が空きすぎた続編はほぼ例外なく物足りないものだけど、今作も劣化、スケールダウンした出来ではなかろうか。

もともと立て続けに身内を失った監督の慰めとして企画はスタート、単なる同窓会作品になる危険性を回避できたのかはわからないが、2000年前後の演出と比べても真新しさが感じられないのは、がっかり。弾丸を止めたり、バイクに乗ったりと先の三作でみたようなシーンが続くだけで、主演二人の顔が大写しになるたびに時の流れの無常を感じさせられた。

冒頭からのメタフィクションと、リブート気味の流れからして嫌な予感がして、過去作の映像を頻繁に挟むのはやっぱり続編だよなあ、としらけてしまった。

手堅い演出とビッグタイトルらしい派手さはあるとしても、技術的な革新がないのなら開き直ってスターウォーズ的なサーガを構築すれば一定のファンは獲れたはず。ネオ、つまりキアヌ・リーブスがいなくても成立する前日譚や新世代の物語として作った方がよかったのかもしれない。

哲学的というか、観念的な会話に面白さを見出せるかどうかで評価も変わるだろうし、昨今のわかりやすさを求める人たちには確実に不評ではなかろうか。

目が覚めるような展開もないし、見どころは集団カミカゼアタックくらいかな。過去三作は何度も観たけど、今作はしばらく観る気がしないなあ。