久しぶりに本気で一気読みしてしまった。ジャンルは風刺小説になるのかな? ユーモアと皮肉はあっても人間とテクノロジーに警鐘を鳴らすタイプの本ではないから。
トンデモ本で有名なと学会会長である山本弘が著者。神、宗教、UFO、AI、超常現象、ゲーム、実験心理学、超能力などのネタをこれでもか、これでもかと贅沢に詰め込んだ小説。
本の最後にある参考文献の量も尋常じゃないけど、これは本物のインテリにしか書けないたぐいのもんだな。気がついたら異世界にいたとか、タイムスリップしたみたいなお気楽な現実逃避系とはてんで違った物語だ。
2003年上梓の作品としても、スマホ、ストリーミング、バーチャルアイドル、電子書籍、電子マネーが一般化した世界は斬新とは思わないけど、それぞれのネタの融合と発想が面白すぎた。
映画化したら阿保みたいにつまらない作品になるだろう。確実に主役が正義感を振りかざすような安っぽい作品になるだろうから。