メメント・モリ―生と死の交差点に愛があった―矢島 正雄, はやせ 淳

読む時期やタイミングによって評価が変わる漫画でしょうか。考えさせられる、お涙頂戴、あざとい、泣ける等、同じ人でも年齢や立場が異なれば正反対の印象を受けるかもしれません。 メメント・モリとは死を忘れるな、いつか死ぬといったような意味です。サブカルにかぶれたロックバンドの歌詞やタイトルに出てきそうな言葉ですね。 どの物語も、ラストに人や人間関係の再生を持ってくるので読後感は悪くありません。ただし、露骨に読者を泣かせようという作者の意図が透けているため覚めてしまう人がいてもおかしくはありません。肉親や友達といった身近な人の死を経験した人はどっぷり感情移入して読むとそのときの気持ちを追体験できるでしょう。