映画

名優の変顔だけで見る価値がある - 妖精たちの森

1971年作。マーロン・ブランドがゴッドファーザーに出演する前年の作品。監督は名作ホラーセンチネルのマイケル・ウィナー。https://youtu.be/fCA8LrGz5U8?si=yTcEWGhej1dqtWsHねじの回転のリメイクとあったけど、これは原作の心霊系ではなく、不条理とエロ…

哀しい映画 - ブッチャー・ボーイ

悪ガキらしい容赦ない嘲りとジョークが連発されるのは原作の小説通り。声変わり後の少年特有のかすれ気味の声質で吐き捨てる言葉のテンポは良く、耳馴染みもいい。ラストは原作よりも優しさが感じられた。また、シネイド・オコナーがマリア役で出演している…

テリファー 終わらない惨劇

前作以上のエンタメ。スプラッター好きには間違いのない作品。全米が吐いたのキャッチフレーズで有名な今作。冒頭から気合の入った人体破壊があり、無理な人はここで見るのをやめるのが無難。世界初のスプラッター映画である血の祝祭日のオマージュともとれ…

俳優の名前を冠した映画は駄作というのが定番 - ベン・スティラー 人生は最悪だ!

精神病院へ入院してしていた40歳の独身男が退院し、社会的に成功したロサンゼルスの弟の家へ居候、そこで弟に雇われたヒロインと出会う。主役は些細なことで怒ったり、感情が揺れるなどまだまだ周りからの理解やケアが必要な状態。かつてのバンド仲間や元カ…

これは愛。プラトニックラブ - アニマルファクトリー

刑務所モノ。ヒロインはエドワード・ファーロング。主役はウィレム・デフォー。脇役にスティーブ・ブシェミ、ダニー・トレホ。原作・脚本のエドワード・バンカーもチョイ役で出演。スティーブ・ブシェミはなんと監督もやっている。刑務所でもタフガイ賛美に…

ある意味貴重な映画 - メイド

2001年公開作でギャングものとくれば脚本家の念頭にはタランティーノがあったはずだ。常時4ワードを連発し、下品でテンポの良い馬鹿話をかっこよく見せたいのだろうけど、これが狙ってもできないようなレベルで失敗している。ただの自制できない頭の弱いキャ…

ベーシスト ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー - Jaco

今回このドキュメンタリーを観て一番の収穫だったのは、ライブにおいてはディストーションが利いたかなりアグレッシブな演奏もしていたこと。アルバムのなかで聴けた演奏はほんの一部分だったのだな。フレットレスベースによる幻惑的な音色は聴いていて気持…

老いることへの恐怖が高まる映画 - アミューズメント・パーク

ゾンビ映画の巨匠、ロメロが70年代に撮った作品。時間は短く45分程度。俳優もメインの人以外はほぼボランティア。商業映画というよりは、教育、啓蒙のために作られたもののようだが、中身は完全に恐怖映画である。外の世界を見たいと願う老人が遊園地へ行く…

芸術家気取りの怠け者が現実を知る駄作寸前の青春映画 - リアリティ・バイツ

観ようと思いながらずっと後回しにしていた映画。内容は、いまでいうところのシェアハウスものになるのかな。宣伝の写真のようなお洒落な雰囲気はなくて、言い訳と皮肉とブチ切れを各キャラクターが順番に演じているものだった。すべてが軽い。安っぽい。た…

和製ホラー最高傑作のひとつ - スウィートホーム

https://youtu.be/CGERdoReypw?si=o2N7BN3E9PKMQUIM日本産ホラーは、主に家族間の恨みや妄執をひたすら陰湿な空気で描いた作品が多い。このスウィートホームのテーマも家族ではあるけれど、海外から特殊効果のスタッフを雇い、アメリカナイズされた派手な演…

CUB/カブ-戦慄のサマーキャンプ-

ベルギー映画。ボーイスカウト御一行がウキウキしながら森へ入り、そこで出会ったのは……というアメリカ産ホラーの王道設定。https://youtu.be/g_62go0Goys?si=qEC2kPGaDRIq0ykJ主役たちはまだ幼さの残る中学生くらいの子で、引率の三人が大人。一回り以上年…

ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~

架空都市の物語とはいえ、イラン系の監督なので全体的にアラブ色強し。夜に映える美しいモノクロ映像は一見の価値があり、今作の最大の特徴。クラブや自宅以外では音楽があまり流れないため、白黒の画面とあいまって静謐な印象。センスも技術もあってお洒落…

健康的なお色気カンフー - デンジャラス・ベイビーズ 

原題は暴走狂花。真面目に観ると損をする、色々と気にしてはダメな映画。頭が疲れて何も考えたくない時に観るとか、酔っ払った時に友達と観るとか、そんなシチュエーションに向いている。主役の一人はわざと大袈裟な演技をするし、クドくて笑えないジョーク…

グロさが話題のホラー - テリファー

テリファー2を観た観客が吐いたとか昔のB級映画の煽りみたいなニュースで知った作品。ネットにアップされていた2の切り刻まれるシーンを観たらなるほどこれはいかつい。U-NEXTに1があったので閲覧。マリリン・マンソンみたいなお化粧ピエロがひたすら理不尽…

アメリカンな大味ホラーが好きな人向け - 道化死てるぜ!

子どもたちの悪戯により事故死したピエロが甦って復讐するホラー映画。素敵すぎるタイトルはニコニコ動画で決まったらしい。まったく高校生に見えないヒロイン(右)と、ホラー映画では必ず殺されるタイプのビッチ系女子。低予算映画ゆえにか、殺し方はなか…

エイミー・ワインハウスが27クラブのメンバーになるまでを描く - AMY エイミー

ネットニュースで彼女の死を知ったとき、やっぱりそうなったかと思った。酒や薬でどうしようもなくぶっ飛んだ映像が出回っていたし、泥酔状態でライブ会場に現れ、まともに歌えない彼女に客たちが大ブーイングをしたという情報もあったからだ。似た場合の訃…

ゴッドファーザー9割オフ? 所帯じみた犯罪組織の隆盛を描く - グッドフェローズ

若い頃の話から組織の崩壊までを一作で描いているため前半はダイジェスト版を見せられているような錯覚に陥る。暴力、強盗、麻薬、服役、裏切り、抹殺のフルコースが繰り広げられるが何か物足りない。鑑賞中に、なるほど、タランティーノ最大の功績は犯罪映…

動物好きでナイーブな人には刺さるのか? - ワイルド わたしの中の獣

狼と人間の禁断の愛を、激しく、氷のように透き通った切なさをもって描く……というコテコテでメルヘンチックなものを期待していたけど、実際はメンヘラチックな女の人がホームレスになるまでを綴ったなんとも微妙なものだった。言葉が通じない以上、人に懐い…

Nirvanaがただの懐メロに聴こえた日 - ソークト・イン・ブリーチ~カート・コバーン 死の疑惑~

この映画(ドキュメンタリー)は、カートの死の疑惑を扱っているものだから、最初からコートニー・ラブに不利な立場で描かれている。つまり、フェアではない。たとえ結果的にカートが死んで一番得をしたのがコートニーだとしても……莫大な遺産、カートが死ぬ…

残虐ゲームの映画化にしてはおとなしい - モータルコンバット

「FINISH HIM!」のフェイタリティで有名なアメリカ産の格闘ゲーム。スト2のヒットにあやかって作ったのは間違いなくて、本家には真似のできない残酷描写を盛り込むことによって人気を博し、現在まで続くシリーズに。95年に映画化されたのが本作。大ボスのヒ…

つまらなくはないが期待してた程ではない - クライング・ゲーム

ネタバレあり。出演者を知らずに鑑賞したところ、ウガンダoh yeah! でアカデミー主演男優賞を取ったフォレスト・ウィテカーが出てるじゃないか。ブチ切れた演技をかましてくれるのかと見ていたがウィテカーは早々とリタイヤ、彼が死んでからは話が別の方向へ…

プレデター80%オフなサバイバルホラー - プライマル・レイジ

まず、これはタイトルがよくないよ。有名な俳優もいないマイナー作品なのに、プライマル・レイジでは情報不足だ。宣伝マンには、殺戮ビッグフット - 森の狂獣 - みたいな頭の悪い邦題をひねり出して欲しかった。物語は、ムショから出所した旦那を嫁が迎える…

スペイン産ブラックコメディ - 刺さった男 

ネタバレありタイトル通りである。後頭部に鉄筋が刺さった男の一日が描かれている。業界にしがみつきたい落ちぶれた広告マンが主役。若かりし頃にコーラの宣伝文句を作ったことの成功体験が忘れられずにいる。独立後は上手くいかず、かつての友人や同僚を訪…

観ても観なくてもいいタイプの映画 - ラブ・エクスペリメント

前情報から、ボクシング・ヘレナとesの合いの子かと予測していたけど、遠からずといったところ。両の作品よりも低予算でシンプルなため、いろいろと地味である。一番不思議なのは、彼らの生活費はどうしているのだろうという現実的なもの。とってつけたよう…

US産サブカル女の暴走 - キャリー 狂気の少女

自称バイナリージェンダーで特別になりたいと願う全方位に喧嘩を売りまくる迷惑サブカル女子が主役。彼女に友達はゲイの男一人しかおらず、学校でも浮きまくっている。こういう子は、日本人なら高円寺や下北付近に住んでキモい目の指輪なんかをしているのだ…

伝説のホラー映画 - ラストハウス・オン・デッドエンド・ストリート

https://youtu.be/IXTVfgP7NFE?si=bUk05gtXi2B4ZHfi数あるグラインドハウス映画の中でも、史上最悪の映画として、映画史に汚点を残す超過激映画。スナッフフィルムを撮影する監督の狂気の暴走を描く。「可能な限り残酷過激で、しかも法に触れない映画を作っ…

こ、こいつはインモラルすぎるぞ…… - ブリキの太鼓

有名な作品だからてっきり反戦文芸作品の大作かと思いきや、ブラックユーモアとインモラルなエロに彩られたとんでもない怪作だった。超能力は出てくるわ、小人症の皆さんが芸を見せてくれるわ、ウナギのシーンはえぐ過ぎるわ、現代の映画だと絶対に公開でき…

ゴシック度高めのシリーズ4作目 - ヘルレイザー4

原作者のクライヴ・バーカーみずから監督した1作目をのぞくと、一番好きなのがこの4作目。2127年の宇宙基地から始まる導入部からしてもはや笑わせにきているのかと思いきや、数世紀に及ぶ因縁を含んだ壮大な復讐劇の舞台装置として機能させるのは凄いアイデ…

これは史上最高峰のコメディ映画だ - 天井桟敷の人々

有名な作品だし、名画ランキングの常連作なので昔からタイトルは知っていたけど、紹介されている画像がどれもつまらなそうなのでずっとスルーしていた。歴史に残る傑作だとか、フランス映画最高の恋愛映画と言われてもこういう画像(作中劇のシーン)を見る…

続編ではないと言いながらも続編でしかないシリーズの新作 - マトリックス レザレクションズ

時間が空きすぎた続編はほぼ例外なく物足りないものだけど、今作も劣化、スケールダウンした出来ではなかろうか。もともと立て続けに身内を失った監督の慰めとして企画はスタート、単なる同窓会作品になる危険性を回避できたのかはわからないが、2000年前後…