タンジェリン・ドリームとアシュラテンペルの最初期に所属していたクラウス・シュルツ。電子音楽の可能性を切り開いた重要人物なのは間違いない。しかし、先の2組と比べるとイマイチ語られることが少ないのは長大な構成やポップミュージックから大きく逸脱した音楽性によるものだろうか。
1stアルバムのジャケットを見た瞬間にベルセルクのグリフィスを思い出した。どんな音か聴いてみると、とんでもない暗黒世界が広がっていてのけぞった記憶がある。続けてアルバム一枚を聴くのは流し聴きでもすこぶるつらい。部屋を暗くして横たわり音と向き合うと修行でもしているような気分になったものだ。
1stに比べると他のアルバムは聴きやすい。70年代は負のマイク・オールドフィールドみたいだったが、以後はテクノやアンビエント風のものがあったりと間口が広がり敷居が低くなった。